地方競馬【JpnI】全日本2歳優駿
全日本2歳優駿(ぜんにっぽんにさいゆうしゅん)は、神奈川県川崎競馬組合が川崎競馬場で施行する地方競馬の重賞競走(ダートグレード競走、JpnI)である。
農林水産大臣より寄贈賞が提供されており、正式名称は「農林水産大臣賞典 全日本2歳優駿」と表記される。
副賞は、農林水産大臣賞、川崎市長賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、よみうりランド賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事賞、神奈川県馬主協会会長賞、管理者賞(2016年)。
概要
1950年に「全日本三才優駿」の名称で創設され、第1回は川崎競馬場のダート1200mで施行された。1988年より「全日本3歳優駿」に改称、2001年に競走馬年齢(馬齢)を国際基準に合わせた事に伴い「全日本2歳優駿」に改称した。現存する地方競馬の重賞競走では最も歴史が長い。
第1回に限り中央競馬(JRA)から競走馬を招待して行われたが、第2回(1951年)以降は南関東地区の2歳(旧3歳)チャンプ決定戦として位置付けられダート1400mに延長、更に1956年にはダート1500m、1959年に現在のダート1600mで施行されるようになった。1985年には地方全国交流競走に指定され、南関東地区だけではない名実共に全日本の地方競馬の2歳(旧3歳)チャンピオン決定戦として位置付けられた。
1997年には中央・地方全国指定交流競走に指定され中央競馬所属馬に再び門戸が開かれ、前年から制度化されていたダートグレード競走のGII(統一GII)に格付けされた。2002年にはダートグレード競走のGI(統一GI)に昇格、名実共に日本の2歳ダート最強馬決定戦として位置付けされた。
2017年より、同年に創設された日本馬を対象としたケンタッキーダービー(G1)出走馬選定ポイントシリーズ「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の対象競走に指定された。
古くはネンタカラ(中央競馬に移籍後はゴールデンウエーブ)、ダイゴホマレの2頭の東京優駿優勝馬に始まり天皇賞優勝馬のオンスロート、ヒカルタカイ、東京大賞典優勝馬スピードパーシアなどが優勝。1990年代以降も中央競馬のアグネスワールド・アグネスデジタル・ユートピア・スーニ、地方競馬のトーシンブリザード・フリオーソら、のちに日本や世界で活躍する馬を多数輩出している。
競走条件
以下の内容は、2016年現在のもの。
出走資格:サラブレッド系2歳
- 中央競馬所属5頭
- 地方競馬所属9頭(地方他地区所属は6頭以下)
- 下記のトライアル競走に出走し、優先出走権を付与された馬
負担重量:定量(55kg、牝54kg(南半球産3kg減))
優先出走権
優先出走権トライアル競走地方所属馬に限り以下の競走で所定の成績をおさめた馬に優先出走権が付与される。
競走名 | 格・条件 | 競馬場 | 施行距離 | 取得条件 | 備考 |
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北海道2歳優駿 | JpnIII | 門別競馬場 | ダート1800m | 1着 | |
兵庫ジュニアグランプリ | JpnII | 園田競馬場 | ダート1400m | 1着 | |
川崎若駒オープン | オープン | 川崎競馬場 | ダート1600m | 1着 | 地方全国交流 |
鎌倉記念 | SIII | 川崎競馬場 | ダート1500m | 1着 | 未来優駿指定競走、地方全国交流 |
平和賞 | SIII | 船橋競馬場 | ダート1600m | 1着 | 地方全国交流 |
南関東枠トライアル競走
競走名 | 格・条件 | 競馬場 | 施行距離 | 取得条件 |
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ハイセイコー記念 | SII | 大井競馬場 | ダート1600m | 1着・2着 |
賞金
1着3500万円、2着1225万円、3着700万円、4着350万円、5着175万円、着外手当25万円。