中央競馬【GI】皐月賞
皐月賞(さつきしょう)は、日本中央競馬会 (JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬の重賞競走 (GI)である。「皐」の字が常用漢字外のため、「さつき賞」と表記されることもある。
正賞は内閣総理大臣賞、日本馬主協会連合会会長賞、中山馬主協会賞。
概要
旧八大競走の1つで、中央競馬における3歳クラシックの第2戦として行われ、最もスピードのある優秀な繁殖馬を選定するためのチャンピオンレースとされている。このため、出走資格は4歳 (現3歳)の牡馬と牝馬に限られ、せん馬 (去勢された馬)は出走できない。また、本競走で4着以内の成績を収めた馬には東京優駿 (日本ダービー)の優先出走権が与えられる。1990年までは5着以内の馬に優先出走権を付与していたが、1991年より4着までに改められた。
1939年に当時の日本競馬会がイギリスの2000ギニーに範をとり、4歳 (現3歳)牡馬・牝馬限定の競走「横浜農林省賞典四歳呼馬 (よこはまのうりんしょうしょうてんよんさいよびうま)」を創設。第1回は横浜競馬場の芝1850メートルで施行された。東京優駿競走・阪神優駿牝馬 (現:優駿牝馬)・京都農林省賞典四歳呼馬 (現:菊花賞)・中山四歳牝馬特別 (現:桜花賞)とともに「五大特殊競走」として位置づけられ、東京優駿競走・京都農林省賞典四歳呼馬とともに日本のクラシック三冠競走を確立した。
1943年からは横浜競馬場の閉鎖に伴い東京競馬場の芝1800メートルで施行、1944年は太平洋戦争の影響により「農商省賞典四歳」の名称で能力検定競走として施行したが、1945年は中止された。
終戦後の1947年から名称を「農林省賞典」に変更。1949年から施行場を中山競馬場の芝1950メートルに変更し名称を「皐月賞」に変更、翌1950年から再び施行距離を芝2000メートル (≒ 1 1/4 miles)に戻し、現在に至っている。
1995年からは指定交流競走とされ、所定の条件を満たした地方競馬所属馬も出走できるようになり、2002年からは外国産馬も出走可能となった。2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった。
東京優駿 (日本ダービー)は「最も運のある馬が勝つ」、菊花賞は「最も強い馬が勝つ」と称されるのに対し、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」と言われる。
競走条件
以下の内容は、2017年現在のもの。
出走資格:サラ系3歳牡馬・牝馬 (出走可能頭数:最大18頭)
- JRA所属馬 (外国産馬含む)
- 地方競馬所属馬 (後述)
- 外国調教馬 (9頭まで、優先出走)
負担重量:定量 (57kg、牝馬2kg減)
- 第1回は牡馬55kg、牝馬53kg。第2回 - 第6回は牡馬57kg、牝馬55.5kg。
出馬投票を行った馬のうち優先出走権のある馬から優先して割り当て、その他の馬は収得賞金の総計が多い順に出走できる (残る1枠が複数の同収得金額馬だった場合は抽選で出走馬が決まる)。
優先出走権
出馬投票を行った外国馬は、優先出走できる。
JRA所属馬と地方競馬所属馬は、下表のトライアル競走で所定の成績を収めた馬に優先出走権が与えられる。ただし、未出走馬・未勝利馬はトライアル競走で収得賞金を得る (弥生賞・スプリングステークスは2着以内、若葉ステークスは1着)ことで優先出走権が与えられる。
競走名 | 格・条件 | 競馬場 | 距離 | 必要な着順 |
---|---|---|---|---|
弥生賞 | GII | 中山競馬場 | 芝2000m | 3着以内 |
若葉ステークス | オープン | 阪神競馬場 | 芝2000m | 2着以内 |
スプリングステークス | GII | 中山競馬場 | 芝1800m | 3着以内 |
地方競馬所属馬は上記のトライアル競走で優先出走権を得た馬のほか、JRAの2歳GI競走優勝馬、およびJRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格が与えられる。
賞金
2017年の1着賞金は1億円で、以下2着4000万円、3着2500万円、4着1500万円、5着1000万円。